2007年7月16日月曜日

大屋根にかかる虹

 ありがたい。

 今朝、京都から戻り、13時から高橋さまのご回向。これも尊いご奉公だった。仮眠仮眠で過ごしたので、本当に倒れそうなのだが、心地良い疲れ。

 昨夜は本山開導会・青少年の一座が終わって、長松寺に戻り1時間弱休んで長松寺での御総講。御総講には横浜妙深寺からのお参詣者や大阪近郊の若いお参詣者で素晴らしい交流が出来て、有難かった。でも、少々バテたようだ。

 本山宥清寺での開導会、第四座の青少年の一座は、大成功に終わった(いや、終わったと思う。こちら側の自己満足ではいけないが、それでも素晴らしいご奉公になったと思う)。

 何より、この一週間心配に心配していた台風が完全に軌道を曲げ、一滴の雨も降らなかった。ここに掲載した写真は14日の予報天気図。観測史上7月の台風で最も強い勢力という台風4号は、間違いなく日本列島を縦断し、「週末は大荒れ」と発表されていた。誰もがほぼ確実に雨と暴風だと予想していた。土曜日の準備ご奉公でも、強い雨が降り続いていた。

 この一週間、このお天気のことがご奉公者のメールに溢れていた。ただ、私は妙深寺での行事でもそうだが天気のことだけを考えるのはいやだ。必ず必ずお計らいをいただける、とにかく雨が降ろうが槍が降ろうがブレずにご奉公するしかないと思うようにしている。今回も、こんなに一生懸命にご奉公をしてくださり、たくさんのお参詣者が志を立てていることを考えれば、「詮するところは天もすて給へ、諸難にもあえ、身命を期とせん」との御妙判をいただいて、何があっても御法さまへのご信心とご弘通への思いを前面に出してご奉公させていただくしかない、と。あとは、「道遠く雨降時の参詣は 信心つよきしるし也けり」で、「試されてる」と思うしかない。このように覚悟したなら絶対に御利益を感得できる。試されている、頑張ろう、と励まし合って。

 大混乱の暴風雨も予想された中、台風は京都に来なかった。一滴の雨も降らなかった。

 北九州の不軽寺の方々は、中止をしようと思っていた矢先に、「けいいち君」の熱意によって再度お参詣を決断。この彼のご弘通への思いは凄かった。体験もすごい。実は、不軽寺は予約していた船が欠航していたために新幹線でのお参詣を断行した。夕方の出発だったが泊まるところがない。祇園祭で京都のホテルなどどこもない。そこで登光師が長松寺に連絡し、宿泊させていただきたい、と。もちろん、長松寺は彼らを受け入れた。けいいち君を含めて、総勢26名の方々が長松寺にお参詣し、宿泊された(そして4時まで語り合っていた。そこで「けいいち君」の口から壮絶な体験談をお聞きした。でも、これは効いたー。次の朝も早いのにぃー) 。

 結果として、この不軽寺のお参詣の決断を皮切りに、九州の方々はお参詣を敢行した。続々とキャンセルの連絡が入っていた寺院から「やはり京都に向かいます」という連絡が入ってきた。神奈川布教区の大会の時もそうだったが、グランデ・ファミリアの時のように、天気も何もかも、すべて試され、気づかされるために動いていく。

 何と台風は、進路を変えていた。朝、起きてみると雨が降っていない。信じられないことだったが、ご信心をしていれば信じられる。妙不可思議なことに、京都はその後一滴の雨も降らなかった。各地から届く台風被害の報道も、京都にいた私たちに限っては感じられなかった。全く別世界のようだった。台風の進路を見てみると、京都の下へ、下へと、台風の進路が変わっていっている。本当に有難い。

 しかし、交通は寸断。台風の爪痕は、7月としては史上最大の勢力といわれただけあって、大変なものだった。

 そのような状況の中、結果として全国から約1200名の若い方々がお参詣された。台風の影響なのか最初の出足こそ少なく思えたが、本山・宥清寺の開導会、「青少年の一座」である第四座はお参詣者で溢れ返った。私は、席上係のようなもので、法悦殿に待機してくださっていた方々を本堂にお送りするご奉公だった。本堂にご案内しようとしても席がない。座るスペースが全くない。既に回廊も溢れており、お供水をいただく場所を詰めに詰めてお座りいただくしかなかった。それにしても、いつも妙深寺でご奉公下さっている席上係や内務ご奉公の方々のことを思い返せて、それも良かった。いつも、本当にありがとうございます。法悦殿の出口で800回くらい「ありがとうございます」「ありがたーい」と声を掛けさせていただいたが、みんなの顔が輝いていたと感じた。

 本堂内では吏絵ちゃんのお母さんとお兄さんが体験談を発表。その後の言上は口語体でしていただき、お聞きしていて涙が溢れた。有難かった。

 シンポジウムでは、様々なトラブルからお父さんを殺そうと100本祈願したという壮絶な体験談をお持ちの方のお話や自殺未遂をしてた過去があったが今は人を助ける側にまわって頑張っている秦くんのお話。この秦くんについては、ここに書ききれない深い深いストーリーがある。鎌倉から向かっていた秦くんが京都に間に合わないことを知り、英ちゃんやご信心の仲間が泣きながら一致協力。電話で声をマイクで拾い、そうして会場に体験談を流した。僕は急遽司会のサポートに入っていた。シナリオの順序が入れ替わり、急遽秦くんの声を受ける携帯電話とマイクを持つことになった。最後には手がプルプルと震えて汗が滝のように流れた。切れないことが不思議だった。途切れることもなかった。すべてがお計らいだった。

 また、今年の1月4日、トラックと正面衝突して顎を複雑骨折、3日目の診断では「脳挫傷」「良くても後遺症は残る」と担当医から言われた夕香菜ちゃん。しかし、その後のお助行でお寺が一体となり、結果としてお寺も夕香菜ちゃんもお助行したみんなも救われたというお話。大変な御利益を現していただき、事故にあったことすら分からない夕香菜ちゃん。ダンスのプロを目指し、ロスへの留学を考えているとのこと。幸いなことに彼女の事故前後から知っていて、お助行もさせていただいたので、喜びはひとしおだった。完璧な御利益。そして、彼女は「今度は苦しんでいる人を救いたい」と言った。有難い。

 最後の最後に、ご奉公を終えて本山を後にしたのだが、振り返ると、本山の大屋根に大きな虹がかかっていた。本当に妙不可思議、御法さまのご褒美だと思い、ひそかに胸が熱くなった。大御利益を感得した。(この写真で虹が見えますか?頑張って撮ったのですが)

 今回、企画のご奉公をされたのは、全国から弘通局に集まった若い御講師方だった。特に、松本現薫師と小野山淳鷲師は、シナリオの製作から細かい配慮まで、本当に素晴らしいご奉公をされていた。こうした思い、ご奉公は積み重なって、今回の成功になったのだと思う。また、これも何としても書きたいのだが、総合司会を務めた二人、遠藤さんと石井くんは素晴らしかった。臨機応変の対応、突然のシナリオの変更にも何のためらいもなく、嫌がりもせずに全て受けてくれた。何という仲間、ご信者だろう。世間とは全く違う。プライドもパワー・ゲームも無い。普通のイベントだったら、押し引きがたくさんあって、それだけで疲れてしまうのに。

 そう、驚いたのは、法悦殿の中でご挨拶していると、多くの方から「ブログ、見てます。○○寺の○○です」という声を掛けていただいた。恥ずかしいやら「やばい」と思うやら、複雑。

 それはさておき。あつい慈悲、菩薩の心、お助行の和。ご信者さんの活き活きとした顔。それを感激して奨励する教務。これが理想。今の妙深寺も目指している姿。それが大本山の開導会・青少年の一座で見せていただけて、私の信心改良、信行増進になった。本門佛立宗のご信者さん、みんなが求めていたことは、やはりこれなのだと思えたのだ。何より、初発心の随喜なのだ。それも実感した。

 色々なトラブルもあった。しかし、「ありがたーい」を口々に、本当に何もかもが有難かったと思える。 汗をダラダラかきながら、舞台裏でスイッチングを担当してくれていたひろし君も、ずっと「ありがたーい」と言ってご奉公くださっていた。この「ありがたーい!」という言葉。大会後の別れ際、九州のご信者さんをはじめ、みんなで「ありがたーい!これ、いただきました!」と言って笑い合った。ブームの予感(笑)!本当にありがたーい。

 ちなみに、ひろし君は体験談を発表した夕香菜ちゃんに「ずっとずっと、お会いしたかったんです」と言われて有頂天になっていた。ロスに留学することが夢なので、ロスで仕事をしているひろし君に相談したいというものだった。ひろし君も「1000%、応援するからね」と返事していた。ありがたい。

 この神奈川布教区の代表、秦くんの体験談は、まさに完璧だった。 大御利益、本当に奇跡的なご奉公になった。彼の声が会場に響き渡り、みんな静かに聞いてくれていた。オープニングだったので厳しいと思っていたが、終わった後は大喝采だった。森山くん、麻美ちゃん、杉崎さんが、彼のリハーサルや準備段階からご奉公してくださり、当日も新幹線の運転見合わせということで、みんなで泣いて悔しがっていたのだと後で聞いた。その思いを何とかしたいと思い、諦めずに電話での中継を選択して良かった。新横浜駅から近い妙深寺に行き、そこから念のため有線電話で通話することにした。その時、何とあの憲史くんがちょうどご奉公しており、「こんなこともあろうかと準備してました」と調子の良いことを言いつつ(笑)、瓜生さんや清康師のサポートをもらって、完璧になったというのだ。私も帰山後に聞いたのだが、本当にありがたかった。やっぱり、最高のチームだ。

 妙深寺のお参詣者は新横浜駅に7時過ぎに集合し、新幹線の運転再開を待った。1時間、2時間、3時間と過ぎ、妙深寺のJTBに勤める田代くんの助けもあって、何とか再開された新幹線に乗ったのは集合から6時間後。それでも田代君がいたから乗れたのだそうだ。そして、15時に京都へ到着。そのまま本山へと向かってくれた。9時間かけてお参詣したことになる。そして、妙深寺チーム24名はエンディングで会場に到着。アナウンスが入って、「こんな天気の中、来てくれたんだね!」という全国の佛立青年たちの声! その後にお参詣下さった長松寺の御総講でも盛り上がった。口々に「中止にしないで良かった」との声。誉めてあげたい。

 横浜の妙深寺では、今週末の開導会の準備ご奉公だった。特に、ガラスみがきのご奉公があったのだが、なんと50名のご奉公者が集まってくださったと聞いた。50名?ガラスみがきのご奉公に?今まで聞いたこともない。今回、そのご奉公に参加した方の中でも、20名がはじめてのガラスみがきとのこと。うれしさが言葉にならない。

 青少年の一座の内容は、後ほどDVDにまとめられる。ひろし君のスイッチング(2台以上のカメラの映像をリミックスして送出すること)が見物。汗だくでやっていた成果が見れる。

 ほんとーに、ありがたーい。

2 件のコメント:

ma-donna-mama さんのコメント...

 清潤御導師ありがとうございます。
佛立宗を担う次世代の皆様ありがとうございます。
 大自然にもお力添えと微笑みを頂き、皆様の心強い和を目の当たりに拝見し、身震いするほどの感動と力強い、勇気と活力を頂戴いたしました。ありがたーい 合掌

Seijun Nagamatsu さんのコメント...

ma-donna-mamaさま、
ありがとうございます。
書き込みをいただきまして、心から有難く思います。私も、あの会場の中でお会いできた、佛立宗を担う次世代の皆さまに「ありがたーい」と思っております。
本当にありがとうございます。
清潤拝、

他人の過失を見るなかれ@横浜ラグーン

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