2009年2月4日水曜日

班長さんへの手紙

 ありがとうございます。

 寒参詣も終盤となりました。今月は二一日、二二日に門祖会を控えております。妙深寺のご信者全員が願主(願う主)であると心得て、遠隔地に住んでおられようと、普段はお寺に来ていない方でも、とにかく声を掛けて将引させていただきましょう。

 ギスギスした世の中になっているのを痛感します。何事も人のせいにする傾向が強まり、身近な人との気持ちのすれ違い、誤解が増え、苦情や非難を言ったり、言われたり。そんなことが異常に増えているように感じるのです。

 自分の幸不幸は、すべて自分の蒔いた種によります。ですから、人のせいに出来ません。私たちの全ての行い(思いも含む)は「種」になって心の奥底に貯蔵されます。思いも、口から出る言葉も、所作振る舞い、行動も、すべて「種」となって心の土壌に蒔かれます。

 お花やお野菜を作ったことのある人ならば、「種」のすごさを知っておられるでしょう。土は同じでも、小さな小さな「種」によって様々な花や野菜が育ちます。ありとあらゆることは、種が大事なのです。

御教歌、
わするなよ まかぬたねなら はえもせず まいたたねなら はえるものぞと

 考えてみれば、恐ろしいことです。蒔いた種は必ず生える。蒔かなかったら生えない。いま起きている出来事は、すべてが自分の蒔いた種であるという宇宙の真理、人生の真理です。このことを「果報」とも「罪障」とも申します。良いことをすれば良く返ってくる、悪いことをしたなら悪いことが返ってくる。「善因善果・悪因悪果」という真理です。

 私たちは、ついつい「バレなければいい」と思ってしまいますが、一つ一つの行為行動が「種」になって毎日毎日、刹那刹那に心の土壌に降り積もって、植えられていくのです。それは必ず芽を吹き、育ってしまう。「罪障」とは、人間の三毒がもたらす身勝手な「行為」が「種」となって振り蒔かれ、次から次へと芽を吹いて人生を翻弄することを指すのです。

 イヤな出来事が続いても、その「出来事」には間違いなく何らかの「原因」があります。目の前に出現した出来事には「種」があるのです。それは、誰でもなく自分が蒔いた種であり、悪い種や根や芽を抜き取って、良い種を植えてゆかなければ真の幸せは訪れません。

御教歌、
何事も たねが大事ぞ成仏も 本因妙の たねにあらずば

 私たちは上行菩薩所伝・本因妙・下種益の御題目をいただいています。この上なく尊い「種」であり、心の奥底の邪な種を取り除き、何より大きく育つ幸せの種です。下種という信心修行は、一瞬一回の種植えで終わることはありません。一生涯、御題目口唱と菩薩行によって「下種」という修行を続けます。

 仏教とは、単に倫理や道徳を説くものではありません。「良いことをせよ」「悪いことをするな」だけでは恐ろしい末法という世界、自分という人間の欲深さに負けて、結局人生を空回りさせる人が多いからです。ですから、とにかく「最高最上の種まき」をしなさい、そのことに励みなさい、参加しなさい、行動しなさい、と教えていただきます。

 朝参詣、お講参詣、教区や部でのご奉公、お会式やお彼岸のお参詣はもちろん、家の中での信心修行を続けられるように、一人でも多くの人に声をかけましょう。

 幸も不幸も、すべて自分次第です。功徳を積ませていただくために、「良い種まき」を続けましょう。本当に厳しい時です。もっと真剣に信心の大切さ、ご奉公の大切さを考え、実際に行動を起こしましょう。喜びを持って、日々の種まきをさせていただきますように。

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