2009年2月24日火曜日

ルーリン彗星の接近

 天文少年。宇宙大好き。これは、母親の影響だろうか。
 母は、日博上人が「地球の外に、きっと私たちのような命を持つ生き物がいるはずだ」と聞いて、いつも眼を輝かせて話してくれた。私も、夜の空などを眺めながら、子どもの頃からそんなことを考えていた。そういう思いを「宇宙からの贈り物」という文章にした。
 NASA(米航空宇宙局)は3月5日に太陽系外にある地球型の惑星を探す初の人工衛星「ケプラー」を打ち上げるらしい。若田さんが乗るディスカバリーが延期されているので、これも延期されるかもしれないが、地球に似た環境で生命の存在も期待してワクワクする。果たして、太陽系の外、この銀河系の中にどれほど地球方の惑星があるのだろうか。
 ケプラーには、超巨大な宇宙望遠鏡を搭載されている。ケプラーは恒星の前をたまたま通過する小さな惑星の影を捉え、この現象によって地球型の惑星を検出するらしい。
 これまで地上での同様の観測などで系外惑星約300個が見つかっている。そのほとんどがガス惑星で生命の存在する可能性は希薄。しかし、今回ケプラーの検出器は地球の大気の影響を受けないので、検出の精度が高く期待されている。3年半以上、銀河系内の恒星約10万個を連続観測するとのことで、報道では第2、第3の地球の候補はそれほど珍しくないことになると伝えている。
 有名な「ドレイクの方程式」によると、天の川銀河(銀河系)に人類と同じような高度な技術文明を生命が存在するかを考える上で、次のような公式が導かれている。
「N=Ns×fp×ne×fl×fi×fc×L/G」
 この銀河系に存在する高等文明の数を「N」とすると、「Ns」は銀河系に存在する恒星の数。「fp」は、その恒星が惑星系をもつ確率。「ne」は、そのなかで生命が生存可能な環境をもつ惑星の数。「fl」は、そこに生命が発生する確率。「fi」は、その生命が知的生命体に進化する確率。「fc」は、その生命体が他の星に対して通信をおこなえる確率。「L」は、その高等文明の継続時間。「G」は 恒星の寿命。
 数式1つ1つに数字を当てはめ、科学的に推定を加えると、現時点で人類と同じような高等技術文明を持つ知的生命体が存在する可能性のある星は約1000個。これは、想定できる数値らしい。
 しかし、この数式で最も重要なのは「L」。皮肉なことに、高度な技術を持ち、宇宙の存在を知る高度文明は、わずか10000年(別の本には100年とされているのだが)で崩壊するとされている。智慧を発達させると同時に人類は愚かさから自滅するという。
 残念ながら、1000個の恒星までの平均距離は、およそ100光年。文明の継続時間がもし10000年だとすると、地球圏外の生命と交信することは極めて困難だと思う。
 実は今夜、ルーリン彗星が地球に再接近する。地球と太陽との間の距離の半分?どういう距離なのか分からない。「近い!ヤバくない?」と思うが、遠いらしい。6130万キロ。昨年、台湾の鹿林(ルーリン)天文台が発見したことでこの名前が付けられた。NASAの観測で、この彗星は毎秒3000リットルもの水を吐き出して飛んでいることが分かっている。今回、この彗星が太陽に接近するのは初めてという説もあるが、いずれにしても周回軌道は数万年に一度しか地球に接近しない。
 前回地球に接近したとすれば旧石器時代。歴史のロマンだなぁ。人類をどのように眺めたのだろう。次に地球に接近するのは数万年後。人類は存在しているのだろうか。先年行われたギャラップ社の調査では、米国の45%の人が「人類は約一万年前に神により創造された」と答えている。ちょっとスケールが小さく感じる。そんなん、ルーリン彗星が通った程度のレベルやん。とにかく、百年に一度の経済危機が世界を覆い、オーストラリアでは史上初の47度の熱波と森林火災、中国では60年に一度の旱魃。そして、極めつけは数万年に一度飛来したルーリン彗星。なるほど。
 今年、立正安国論上奏750年。三災七難の中に、「日月失度難」「星宿変怪難」などがある。今年は日本でも皆既日食もある。そして、彗星の飛来。いろいろなことが符合していて、お祖師さまの「立正安国論」を拝見し、襟元を正して御意をいただける。御意をいただいたなら怖いものなんてないから。そうお諭しくだされている。
 今夜、夜空が晴れていたら、天文少年になろう。

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