2011年5月15日日曜日

サンサーラ

インドの叙事詩『マハーバーラタ』にも記されている街。紀元前6世紀から5世紀頃、この地にあったカーシー国の首都として栄えた街。その後、ブッダの時代にはコーサラ国、マガダ国などに支配された。

インドの主たる宗教はヒンズー教。ヒンズーでは人々は生まれ変わるつど苦しみに耐えねばならない。しかし、この聖地・バラナシのガンジス川近くで死んだ者は、輪廻から解脱できると信じられている。何千年も前から、ベナレスはこのように信仰を集めてきた。

毎日インド各地から100体近い遺体が金銀のあでやかな布にくるまれ運び込まれ、また、ひたすら死を待つ人々もいる。彼らはムクティ・バワン(解脱の館)という施設で死を待つ。ここでは24時間耐えることなくヒンズー教の神の名が唱えられる。亡くなる人が最後のときに神の名が聞こえるようにとの配慮である。ここで家族に見守られながら最後の時を過ごす。

死者は、ガンジス川に浸されたのちにガートで荼毘に付され、遺灰はガンガーへ流される。金が無い人、赤ん坊、妊婦、蛇に噛まれて死んだ人はそのまま流される。

ベナレスは、別名「大いなる火葬場」とも呼ばれており、年中煙の絶えることはない。ベナレスを表す有名な言葉。

「火葬場が町のために存在するのではない。町が火葬場のために存在するのである」

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