2015年1月11日日曜日

パリは燃えているか


「パリは燃えているか」

パリの解放を描いた1966年製作、映画「パリは燃えているか」。

第二次世界大戦。

ヒトラーは戦況が敗戦一色になると、占領下にあったパリの主要部分、ルーブルやエッフェル塔などを爆破し、焼き払うように命令を下しました。

当時のドイツ軍パリ司令官・コルティッツ将軍は、ヒトラーの指令に従わず降伏しました

映画の終盤で、パリ陥落の失望の中、ヒトラーの「パリは燃えているか?」という悲壮な、虚しい声が繰り返されます。

パリは、燃えなかったのです。

ヒトラーの目論見は外れました。

加古隆さんが、NHK製作のドキュメンタリー番組「映像の世紀」のメインテーマ曲として発表された曲名も「パリは燃えているか」というものでした。

素晴らしい曲です。

いま、フランス、パリの方々は、米国同時多発テロの直後と同じような衝撃の中におられると思います。

決して、遠くの国の出来事とは思えません。

妙深寺の柴山事務局長の姪御さん、私もパリのご自宅までお助行に伺ったこともある、美穂さんの家から5分くらいの場所で、あの立てこもり事件が起きていたのです。

美穂さんの、あの地区、あの街角が目に浮かびました。

御本尊さまもご奉安いただいている、パリのご自宅の近くで、これほど大きな事件が起こるなんて。

下記、美穂さまから届いたメールです。

是非ともお読みいただいて、決して遠くの出来事と思わず、考えてみていただきたいです。

あと、数時間後、パリでは大規模な平和のためのデモ行進が行われる予定です。

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長松ご住職さま
 
ありがとうございます。
 
御無沙汰しております。
ご心配いただきありがとうございます!

私達は皆無事でしたが、昨日の事件は本当に我家から5分の所でした!
引越していませんので来ていただいたあのアパートのすぐ近くです!

事件は解決されましたが、自由思想のリーダー達を失くしとても残念です。
 
今回は”表現の自由”が標的になりました。ということは人間の自由が、つまり民主主義が脅かされたということで、フランス人が団結して”表現の自由を守ろう”シャルリー・エブドを助けよう”という機運が高まっています。

というのも、この週刊誌は”風刺ユーモア”を売り物にしていて、いままでも大統領や教皇、サルコジなど宗教に関係なく偉い人を風刺してきたからです。もちろんイスラムのムハンマドも風刺したので

イスラム原理主義者グループが怒り、それ以来、何百通と脅迫状が届き、建物は常に警察保護化にあって標的になっていました。それでも彼らは表現の自由の為に風刺を続けてきました!
 
明日パリで大きなデモが行われます。ヨーロッパ中からVIPが集まり、イスラム教徒(過激派でない人達)もユダヤ教徒も、キリスト教徒も、全ての国籍と宗教を超えた人達が、イスラム過激派に断固抗議する為に表現の自由、民主主義の為に、そして人種差別に反対してトレランス(寛容)の為に平和デモをする予定です。
私も参加します!
 
そして、まだフランスはイスラム過激派の脅迫が続いているので、油断は出来ませんが、この事件がきっかけでフランス人が団結し、他者への関心と思いやり、民主的で差別のない社会になれば、シャルリー・エブドのリーダー達の死が無駄にならないと思います。
 
ありがとうございます。
 
美穂

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深い、深い、示唆があります。

ここから、学ぶべきことがあります。

一人の宗教者として、しっかりと、学び取りたいと思います。

ありがとうございます、美穂さん。

2 件のコメント:

伊那谷 さんのコメント...

夜7時のNHKニュースでは、抗議デモにドイツ首相ほかEU加盟諸国の政府要人が参加すると伝えました。しかし日本の政府要人(たとえば駐仏大使)が参加するかどうかは、まったく伝えませんでした。

また同時刻のNHEKニュースは、政府の来年度予算案についても報じていましたが、防衛予算案の総額について、やはり伝えませんでした。

つごうの悪いことは国民に知らせない。これが日本の公共放送です。言論や表現の自由がないことを、いちばんよく知っているのは、あるいはNHKアナウンサー室かもしれません。

ありがとうございます。

Seijun Nagamatsu さんのコメント...

本当に、そのとおり。万が一、日本国の天皇陛下の風刺画が、これと同じような体裁で書かれたら、日本人の多くがどういう反応をするでしょうか。

マクロとミクロは一致します。

そのように捉えて、思考しなければならないと教えていただいています。

他社に対する不寛容、そして暴力。暴力で全てを断絶する、否定する、人を殺めるということへの絶対的な否定と、その上で「言論の自由」ということについて、どう思うか。

これまでの暴力や不理解の連鎖こそ見つめ直すべきではないか。

数千年前、反カースト、反ヴァルナ、反ジンクス、ジェンダーフリーを唱えて迫害され、でも指示を得た仏教は、やはり、すごいです。

もう一つ、加筆させてもらいたい。

先日来カブールで、他の地域でも、結婚式の宴会場が無人機で爆撃されて、20名以上の方ががこの誤爆によって殺害されました。

いつものように、命は地球よりも重いはずなのに、その重さに違いがあるように思います。

その時、どれほどの反戦宗会や抗議集会があったでしょうか。

宗教者は、このことを、深く思い返すべきだと思います。

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