2016年2月1日月曜日

「班長さん、ありがとうございます。」 妙深寺役中テキスト 平成28年2月号

ありがとうございます。

寒参詣も終わりに近づきました。

自分で立てた目標を達成できたでしょうか。

いずれにしても、一年で最もご信心の増進する時期が、この二月であると教えていただきます。

不思議なものですが、ご信心の高まっている時に限って、頑張ったからこそ現証の御利益を感得する人もあれば、いろいろな課題や問題に直面する人もいます。

なぜ頑張ったのに、こんなことになるのだろうかと首を傾げたくなることもあります。

私もそういう経験をしたことがありました。

しかし、御利益をいただく人を羨むのは簡単ですが、どちらかと言うと「今だからこそ」という改良のきっかけをいただいた人の方が、本当の御利益をいただいた方と言えるのではないでしょうか。

私の場合はそうだったように思っています。

「良薬口に苦し」という言葉は本当にそのとおりです。

自分で自分の姿を見ることは出来ませんし、自分の悪い癖に自分自身で気づける人は少ないものです。

「ギョッ」とするようなことや「ドキッ」とするようなことがあって、人は初めて気づきます。

自分の幅を広げるには、自分の好まない場所に身を置き、経験したことのない経験を積むことです。

出来るからする、好きだからやるというだけでは、自分のレベルの低さや了見の狭さ、器量の小ささや偏りや隔たりが分からないものです。

ご信心も同様です。

寒参詣中の一月、ネパール大地震の支援活動で現地を訪れました。

妙深寺から先発としてコレイア清行師、スリランカからは良潤師、インドからはシェーカー君が参加してくれました。

ネパールは、日本からすれば想像もつかないほどの後進国です。

毎日どこかで停電がありますし、私たちが泊まるような安いホテルでは温かいお湯も出ません。

トイレに紙が置かれている場所は少なく、そうなるとお尻は横にある桶のお水をすくって拭かなければなりません。

クラクションが鳴り響き、道路にはゴミが散乱しています。何もかも日本と違うのでビックリします。

しかし、もっと深くお付き合いすると、そうした面とは裏腹に、とても信心深く、実はきれい好きで、私たちより清潔であることが分かります。

逆に「日本人は紙でお尻を拭いているというけれど本当ですか?汚いと思わないのですか?」と聞かれ、返事に困ることすらあります。

「所変われば品変わる」ということかもしれませんが、人間の根底はそれほど変わりはしません。

古いテレビ番組の「川口浩探検隊」に出てくるようなネパールの村の中で一夜を過ごしました。鼻にビアスをした女性たちがお給仕してくれました。

三匹の鶏を捌き、お湯につけながら目の前で毛を取ります。

家の中の全員が土間の上で寝ました。

私のすぐ隣には十五歳の美しい少女が寝息を立てていました。

このような国や文化の中で、どこに出しても恥ずかしくない、純粋な本門佛立宗の信徒が生まれています。

わずか半年のことです。

支援活動に参加した教講、特に体当たりのご奉公を重ねてきた清行師のおかげです。

誰もが心から「南無妙法蓮華経」と御題目をお唱えし、
「私はこのご信心で救われたのです」
「御題目を唱えたら天気が変わったのです」
と現証の御利益を喜びあっているのです。

私たちはまだ頭でっかちなのでしょう。

もっと純粋にならなければ、ご弘通は出来ないのかもしれません。

見習いましょう。 

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