2016年6月1日水曜日

『班長さん、ありがとうございます。』 妙深寺 役中テキスト 平成28年6月 号

ありがとうございます。

いよいよ妙深寺第二代 長松清凉御住職、松風院日爽上人御十七回忌法要が迫ってまいりました。

今年度の開導会は、先住の御年回を併修させていただきます。本門佛立宗の総導師、佛立第二十五世講有山内日開上人にご親修を賜れることとなりました。本当に勿体ないことで、大変に尊い機会を頂戴いたしました。また、第一座には権大僧正川井日陵上人にご唱導の栄を賜り、妙深寺にご縁の深い神奈川布教区の御導師方、御住職や御講師、ご信者さまをお迎えして奉修させていただきます。

本当にまたとない機会です。これほどの大法要は妙深寺にとって久方ぶりであり、これからも滅多にないと思います。四月の門祖会、日博上人御五十回忌から日も浅く、将引が難しいと思われているかもしれませんが、是非とも、もう一度、大切な法要、大切なご奉公であるということを説諭し、将引していただきたいと思います。

今月の妙深寺報は「風邪ひくなよ、バカ」と題して文章を書かせていただきました。正直な私の気持ちをご信者の皆さま、特にお役中の皆さまに知っていただきたいと思って書かせていただきましたので、お読みいただければ有難く思います。

日博上人はけた違いに偉大な御導師でした。しかし、日博上人が偉大な御導師であればあるほど、その後のご奉公は困難を極めたと思います。その難しいご奉公を、先住日爽上人はやり遂げられました。先住は日博上人がご用意くださった可能性を最大限に引き出し、それ以上の大発展を成就されました。それが今日の妙深寺であり、法深寺です。

誰にも誇らしく、胸を張ってご紹介出来る妙深寺。その妙深寺があるのは、先住のご奉公があればこそです。

私は、先住を想うと涙が出てしまいます。申し訳ないな、申し訳ないな、申し訳ないな、という想いでおります。その申し訳なさをエネルギーに替えて、こんな人間が後を受け継いでしまったのだから、何とか叱られない様に、裏切らないように、与えられた使命を果たそうと努力してきた、というのが正直な気持ちなのです。

御利益をいただいても、大変な現証を見せていただいても、助けていただいても、教えていただいても、なかなか気づけず、恩に感じず、恩返しをするどころか勝手に離れてしまうこともあります。そのままでは地獄に堕ちるようなものです。救いようがありません。堕ちればいい。堕ちて当然です。私もそうだったように思うのです。

いつも申しておりますが、地獄に堕ちてゆく人は苦しい顔をして堕ちてゆくのではありません。楽しそうな顔、満足そうな顔をして堕ちてゆくのです。その後の苦しみが分からないから堕ちるのです。

分かったつもりで分かっていなかった。私は、ギリギリのところで先住からお折伏をいただき、救っていただいたと思っております。目を覚ましていただいた。本物の佛立信心を教えていただき、佛立教務道を示していただいた。

先住を想うと涙が出てきます。そのようなご奉公をなさる方は、如説修行抄にあるとおり、大変なご法難に遭われます。孤独の道です。結果を見ることも出来ません。全て信心の世界。現証の御利益の世界です。先住は、こうした苦難困難を乗り越えて、ご奉公を貫かれたと思います。

その果報をいただいて、今があります。先住が教えてくださったことがなければ今はありません。どうか、妙深寺教講一同、当日まで将引報恩ご奉公に励みましょう。

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