2016年11月20日日曜日

外務大臣の参列

無より有を生ず。


海外でのご奉公は、すべて薄氷を踏むようなもので、失敗もたくさんあります。


ツアーに限らず、トラブルの連続で、少しの行き違いで積み上げたものが失われてしまうこともあります。


スリランカでも、インドでも、そうしたことを何度も経験してきました。


しかし、だからといって日本人の感覚ですべて杓子定規に考えていたら一歩も前には進めません。


日本文化を輸出しているわけではなく、その枠にはめようとすることがご弘通ではありません。


上行所伝の御題目を、そのご信心をお伝えすることがご弘通です。


薄氷ですから、石橋を叩いて渡るような人には理解できないかもしれません。


本当に、いろいろなことがあり、いろいろなトラブルを乗り越えて、ネパールのご奉公は有難い場所までたどり着きました。


人間関係も簡単ではないように、お膳立てのない、価値観の異なる人びとと、信頼関係を築き、一つの物事を進めてゆくことは並大抵のことではありません。


ご信心であればなおさらです。


それでも、清行師はここまで築き上げてくれました。


若い彼のポテンシャルを最大限ひき出せるように応援してくれた妙深寺の教講の皆さまにも心から感謝です。


彼と共にご奉公に力を尽くしてくれたネパールのみんなにも。


わずか一年の間にも、筆舌に尽くしがたい、挫折しそうな、すべてが崩れそうな時が何度もありました。


怨嫉というか、邪魔というか、いやがらせも、内紛も、喧嘩も(笑)。


ネパールでお教化になった全員が離れてゆくのではないかと思うくらいの問題も。


それでも、くじけず、あきらめず、問題があるからこそ飛び込み、突っ込み、笑顔で、丁寧に、対応してきたからこそ、この素晴らしい成果までたどり着きました。


結局、何人かは離れていきましたが、ほとんどのメンバーが戻ってきた。


そして、数人は、本当の本当にずっと中核にいて、献身的なご奉公を続けた。


「如説修行抄」にお示しくだされた、末法弘通のマニュアルどおりです。


本当に、ありがとう。


いい意味で期待しない、少々のことでは動じない。


しかし、今回、私たちのセレモニーにネパール国の外務大臣が参加くださったことは、本当に奇跡でした。


Dr. Prakash Sharan Mahat.


本年9月24日にはニューヨークの国連本部で演説されていて、ヒマラヤを囲む国々の中で、とても重要な活動をしてくださっている方です。


http://thehimalayantimes.com/nepal/prakash-sharan-mahat-nepali-diaspora-nepal-prosper/


その方が、わざわざHBS Nepal Shanthi Dharma StupaHBSハウスのオープニングセレモニー、小原旭くんの一周忌に参列してくださったことは、どれだけ光栄なことだったでしょう。


彼の口から、旭くんの名前が何度も何度も出てきました。


彼は、この平和題目塔から見える北側の村が故郷だと言っていました。


そして、私たちには、この平和題目塔を守り、発展させる責任があると、はっきりと表明してくれました。


本当に、感激しました。


このセレモニーのギリギリまで、いろいろな怨嫉もあり、この方の参加を取りやめるべきだというメッセージも入っていたり、村人はハッピーではないなどの話もありました。


しかし、すべて間違った情報、単なるいやがらせでした。


海外弘通では、そういうことがたくさんあります。


決して、一方の意見を聞いて判断してはいけないのです。


信じた道を、真摯に進むこと。


HBSネパールにとって、ご奉公してきてくれた若者たちにとって、貧しいスンカニ村の人びとにとって、国務大臣の来訪がどれだけ大きな意味を持っていたか、想像を絶します。


本当に、素晴らしいご奉公をしてくれました。


昨夜、「これから、まだまだ支払いがありますー。ご住職、ごめんなさいー。」というメッセージのやりとりがあり、僕は苦笑いしているけれど、決してお金では買えない価値あるものを、みんなで築いてくれました。


ありがとうございます。


これからは、夢に見た「INS」というプロジェクト、インド、ネパール、スリランカを連動させた、アジアのご弘通を始めることが出来ます。


長時間にわたった平和題目塔の法要の後、外務大臣は私たちのHBSハウスまでお越しくださり、金丸御本尊さまの前でずっとお参りしてくださいました。


最前線にお出ましいただいた妙深寺の金丸御本尊さまの御力をお借りして、前に進んでゆきたいと思います。


ありがとうございます。


長野県は曇り。


これから上田別院に向かいます。

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