2013年5月22日水曜日

「俺と親父の双葉の季節」

朝顔の季節。最初に芽を出して、大きく開く双葉。

その後はグングンと伸びてゆく朝顔の本葉の下で、双葉は枯れてしまう。このエピソード、『とんび』で紹介されていました。

一番最初に頑張って芽を出して、苦労したのに花が咲くのを見ることは出来ない双葉。「親子って、そんなもんかもしれないね、、、」という言葉が印象に残っています。

親子の距離、家族というもの、つくづく簡単ではないですよね。親の思いと、子の思いは、なかなか通じないものですし、伝わらないものです。

私自身も、父にちゃんとした姿を全く見せることが出来なかったのだから。

お祖師さまは龍ノ口のご法難に遭われた際、いざ首を切られるというのに、

「今夜頸を切られにまかるなり。これ数年が間願ひし事也」

「これほどの悦びをばわらへかし」

と仰せになりました。すごいご覚悟、法悦を表すお言葉ですが、もう少し詳しく拝見すると、お祖師さまご両親への思いが伝わって、胸がつまり、涙が流れます。

「此娑婆世界にしてきじ(雉)となりし時は、たか(鷹)につかまれ、ねずみ(鼠)となりし時は、ねこにくらわれき。或はめ(妻)に、こ(子)に、かたきに身を失ひし事大地微塵より多し。法華経の御ためには一度だも失ふことなし。されば日蓮貧道の身と生れて父母の孝養心にたらず、国の恩を報ずべき力なし。今度頸を法華経に奉りて其功徳を父母に回向せん。其あまりは弟子檀那等にはぶく(配当)べし。」

この命を法華経に捧げます。貧しい身の上に生まれ、思うように親孝行が出来ませんでしたが、どうか、この功徳を、父と母にお廻しください、と。その命懸けの余計の功徳を、私たちがいただいていることも、この文章を拝見すると分かります。

庭のプランターから芽を出した双葉。朝顔の季節に、親子のことを学ぶことができました。

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