2015年8月29日土曜日

復刊「ピカッ、ドーン!!(原爆)九死に一生を得た一銀行員」熊巳武彦:著



戦争や原爆の記憶を風化させてはいけない!

戦争は二度としてはいけない! 戦後70年を機に刊行。

『ピカッ、ドーン!!(原爆)
九死に一生を得た一銀行員の記録』 熊巳武彦著

昭和20年(1945年)8月6日(月曜)、

この朝、広島市の空は一片の雲もなくカラッと晴れ上り風もほとんどなく真夏の太陽がギラギラと照り輝いていた   (本書冒頭より)

 本書の原本は和紙に毛筆で書かれたものです。平成五年(一九九三年)熊巳さんは、原本を当時の内閣総理大臣だった友人の福田赳夫さんはじめ政府高官、アメリカほか各国大使館、原爆資料館、勤務されていた三菱銀行などに、英文の翻訳本といっしょに寄贈しました。熊巳さんの病床に、福田赳夫さんから電話があるなど多くの方から反響があったそうです。この頃はまだ、戦争は二度としてはいけない。原爆の悲劇を伝えなくてはいけない。そうした思いは、与野党を問わず広く共有されていたのでした。

 しかし今はどうでしょうか。戦争、原爆の記憶をもつ体験者も歳をとられ、いつの間にか風化が始まっています。核の脅威はいっこうに減らず、世界では戦火が止むことなく、日本が戦争に巻き込まれる危険は、以前にも増しています。

 熊巳武彦さんが体験した原爆の悲劇を、これからの世代にどうしても伝えていかなければいけない。こうした思いで、淑子夫人はご主人の武彦さんの遺された本書の刊行を決意されました。                      (本書「出版にあたって」より抜粋、大原哲夫)

熊巳武彦(くまみ・たけひこ)

明治40年(1907年)広島県双三郡八次村(現在の三次市)生まれ。法政大学卒業後、三菱銀行に就職。昭和20年(1945年)8月6日三菱銀行広島支店勤務時代に、原爆に遭遇。運良く九死に一生を得る。市民の血液たる銀行の再建に力を尽くした。三菱銀行退職後、昭和63年(1988年)80歳の時に広島での自らの被爆体験をもとに「核」の脅威を訴え、二度とこのような悲惨な戦いが起こらぬことを祈る思いで本書を執筆し、知人、親戚に寄贈。その後、平成5年(1993年)85歳を機に、一部修文し英語の翻訳本とともに政府高官はじめ各国大使館など、国内外の関係各所に寄贈。平成7年(1995年)87歳、東京、東中野で永眠。

『ピカッ、ドーン!!(原爆) 九死に一生を得た一銀行員の記録』

著者:熊巳武彦

編集・発行:大原哲夫編集室

印刷:大日本印刷株式会社

刊行:2015年6月30日

判型:活字普及版A5判変型 ソフトカバー 96 頁(写真入り)

価格:本体 1,400円+税   ISBN978-4-907523-02-2 C0023

*中高生にも読みやすいように、

 毛筆の原本を活字に起こし現代用語にあらため、脚注をつけました。

   戦後70年を機に刊行。多くの人に読んでいただきたいと思います。


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