2014年9月25日木曜日

眼にて云ふ

25日、朝6時半から門祖日隆大聖人のご命日の御総講。

 

昨夜は、朝方にかけて、激しい雨と風でした。

 

朝になると、有難いことに、少し穏やかになっているようでした。

 

よかったー。

 

しかし、名古屋では地下鉄が浸水したと聞き、本当に恐ろしさを感じます。

 

今年は、自分の手で稲刈りが出来ませんでした。

 

お師匠さまが言っていました。

 

今年の天気。

 

雨は一気に降って、大地に染み入ることもなく、大地を削るようにダダーッと流れて消えてゆく。

 

雨の後は曇ったままで、日照時間が少なかった-。

 

「吹く風枝をならさず、雨壌を砕かず、代は羲農の世と成て」

 

こうした「現世安穏」の世界とは全く逆の様相です。

 

謗法があるからでしょう。

 

知らない人は知らないし、知っている人も教えようとしない。

 

これは謗法です。

 

凶悪な殺人犯も、テロリストも、正当な理由を主張します。

 

妄想や幻想、迷信やジンクス、あらゆる理不尽な人間の迷妄から離れる。

 

フラットに、自由に、豊かになること。

 

これが仏陀の創始した教え、仏教でした。

 

来年の1月までに巨大地震が起こるという報道。

 

来年の1月までにエボラ出血熱の罹患者が150万人に達するという報道。

 

中東に出現した新興国家のような宗教勢力が、欧米の人びとを無差別に殺すよう促している報道。

 

その彼らを殲滅しようと、敵国のない、国や民族という概念を超えた、本当の意味での新たな戦争に乗り出した世界。

 

二極化が進む世界。

 

二極化する世界の中で、蠢き、拡大を続ける、原理主義宗教勢力。

 

この世界の、眼となり、耳となり、柱となり、船となることは、大変なことです。

 

しかし、このままでは、エボラ出血熱と同じように、傍観していると、あっという間に、大変なことになります。

 

サバイバルは大切だけど、何のために生きて、死ぬのか、その尊い意味に気づいておかないと、かなわないです。

 

かなわないです。

 

そう、今朝、御法門でいただきました。

 

「臨終の 時にあらはす寂光は 信者のつねの行にあるなり」

 

NHK「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」

 

久しぶりに、レイモンド・ムーディ氏も出演していました。

 

『宇宙からの帰還』から立花さんには敬服していますが、さすが立花さんらしい切り口でした。

 

しかし、入り口で、終わってしまう。

 

そう、様々な人びと、国も、宗教も、年齢も、経験も関係なく臨死体験に共通する神秘的な体験は、脳の辺縁系が見せているというもの。

 

番組の、ここまででも、とてもおもしろかった。

 

でも、ここまでが限界だと思います。

 

私たちが見てきた、あの光については、検証できないのだから。

 

死にゆく本人だけではなく、それを見守る、そこに居合わせた人びとまでが共有する、「死体験」があるということ。

 

教えはもちろん、私の体験したことから断言できるのは、これが、佛立信心であり、真実の仏教でした。

 

「臨終の時にあらはす寂光」

 

臨死体験は、脳科学ではなく、むしろ集合無意識、シンクロニシティ等という視点から見てゆかないと、次の扉にたどり着かず、一人ひとりの人生を導くものになり得ないと思います。

 

そして、9月21日に祥月命日を迎えた、宮沢賢治さんの、「眼にて云ふ」を朗読させていただきました。

 

眼にて云ふ

 

 

だめでせう

とまりませんな

がぶがぶ湧いてゐるですからな

ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから

そこらは青くしんしんとして

どうも間もなく死にさうです

けれどもなんといゝ風でせう

もう清明が近いので

あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに

きれいな風が来るですな

もみぢの嫩芽と毛のやうな花に

秋草のやうな波をたて

焼痕のある藺草のむしろも青いです

あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが

黒いフロックコートを召して

こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば

これで死んでもまづは文句もありません

血がでてゐるにかゝはらず

こんなにのんきで苦しくないのは

魂魄なかばからだをはなれたのですかな

たゞどうも血のために

それを云へないがひどいです

あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが

わたくしから見えるのは

やっぱりきれいな青ぞらと

すきとほった風ばかりです。

 

 

こうして、見えていたら、いいですね。

 

それでも、辺縁系が見せる幻影ではなく、今生の果報が顕れるに違いない。

 

「臨終の時にあらはす寂光は 信者のつねの行にあるなり」

 

常の行が、映ります。

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