京都。夏の京都。じっとりと暑い。
「ありがたい」という言葉は幸せを呼ぶ言葉。幼い頃から「ありがとうございます」をご挨拶の言葉としてきたのだが、私はようやく最近になってこの言葉の本当の意味を知ることが出来たのだと思う。
開導聖人の御指南である「有難う存じますると口癖のように申せ」と仰っている深い深い意味を知る。誰彼と無く、また良いことも悪いことも含めて、「ありがたい」と口にする。最初は冗談のように受け取られていたし、自分でさえそうだった。気恥ずかしい気持ちもしていたし、どうしても笑顔になるので冗談半分だったように思う。
しかし、口に出すようになってから一年近く経つだろうか。今では本当に、何事に対しても感謝の心が湧いてくる。声に出すようになってから、周りの人までが「ありがたい」「ありがたい」と言ってくれる。相手も最初は冗談半分。「ありがたーい(笑)」と私の顔を見る度に言う。この前も書いたが、京都の木屋町にオープンした友人のお店でも、私を知らないスタッフの方までが口々に言ってくれる。「実は、長松さんが帰った後、スタッフの女の子が口々に『ありがたーい』を連発しているんです」と言ってくれた。嬉しい限り。また、先月パブロというロスから来たバイオリニストと会って意気投合したのだが、私の顔を見ると即座に「ありがたーい」と言う。初対面の時、すぐに打ち解け合って、笑いながらいろいろなことを話した。なんと彼は仏教のことではなく、「日本で彼女を作りたいんだけど、どうしたら良い?」と私に聞いたので、私は「パブロ、素敵な呪文があるよ。日本で最も綺麗な言葉なんだ。それは『ありがとう』という言葉。女性に会って、何かある度に『ありがたーい』って言えばいいのさ」と言った。彼は真面目にそれを聞いていて、私の顔を見ると「ありがたーい」と言うわけだ。
もちろん、イヤなことや不都合なこともある。ムカっとすることもあるし、思惑が外れて落胆することだってある。でも、『ありがたーい』なのだ。そう言える、思える自分。これも有難い。そう、生きているのだから。そう、何が問題というわけじゃない。自分が未熟だ、まだまだ成長しろ、勉強しろ、変われ、と言い聞かせて、イヤなことでも『ありがたーい』になる。
僕はこれを「幸せを呼ぶ言葉」だとつくづく思う。もちろん、上行所伝の御題目と正しい信仰がなければ、本当の本当にその境地には至れないと思うし、私もまだ入り口に立っているだけだ。
ただ、御教歌には「何もよし人と生れて要法に あひし縁しは有難の身や」とある。有難い身の上だ。この御教歌の最後、「有難のみや」を「有難いのみ」と読み返して、「ありがたのーみやー」とひろし君とは言い合っている。本当に、「何が起きても、ありがたよね」「ありがたのみだな」と。
本当にありがたい。
2007年7月24日火曜日
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2 件のコメント:
有難~い!!
忙しくても有難~い!!
有ること難し。
みなこさん、
ありがとうございます。
正法寺の御導師から、みなこさんのこと尋ねられ、少しだけご報告しました。とってもとっても喜んでくださっていました。ありがた~い。
そう、新しいメガヒッツのキーワードが、「ありがたーい」とセットで生まれましたので、横浜に帰ったら教えるね。関西弁で、「ありがたぁ~い、もぅ、拝むぅ~」というのでした。
ありがたーい。
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