2011年3月29日火曜日

汚れた世界に咲く花

福島第一原発の中には自宅を津波で流され、家族との安否確認も出来ずに不眠不休で必死で働いている方々がいます。そのご家族も、政府の曖昧な自主避難という指示の下で、放射性物質が降り注ぐ物資も届かなくなった地域で待ち続けています。

昨日、秋山現信師がいわき市に残っているご信者方のお宅に水を届けに巡回されました。まだまだ、明らかに危険な地域に子どもたちがたくさん残っているとの報告。愕然とします。日本医師会は50キロ圏内への医師の派遣を止め、危険だから立ち入らないように勧告したと聞きます。とにかく、早く離れて欲しい。

受け入れ先は有無を言わさず全ての宗教法人がすればいい。国難の時、危険にさらされた方々のために開放できない宗教法人など存在する意味がない。日本国から税制優遇されている意味がない。こんな時こそ、もし拒否するような寺院や教会があれば私益のための団体と見なして課税したらいい。

被災地域の寺院も、地域のコミュニティから浮かび上がっているなら意味はない。寺院には、被災者への物資供給拠点や心のケアを行なう責務がある。だからこそ、私たちは支援活動を続ける。その寺院を中心に、被災地の方々が救われると信じている。事実、被災した気仙沼の清護寺から避難所に物資が提供されている。

いわき市への現信師のご奉公には、頭が下がる。息子さんが福島第一原発で不眠不休の任務につかれているお母さんに水を届けたという。すでに役所の人も逃げ出して無政府状態、物資は届かない。その際、その方は、「お寺に行く術がなくて申し訳ない。どうか、息子のためのご祈願をお願いします」と秋山現信ご住職にお願いを渡されたという。現信師は泣いたと言っていました。

見えない恐怖。放射性物質。汚されていく大地、海、水。愚かな人間の所業の結果だが、それでも、その汚れた世界に咲く美しい花がある。まるで蓮華のように。

明日、木更津の竹村ご住職が水戸まで行ってくださるとのこと。ガソリン150リットルを届けに。妙深寺に寄ってその他の必要物資も積んでいただきます。くれぐれも気をつけて。ただ、頑張って欲しい。

蓮華の花のように、汚れた世界を厭わず、美しく咲く花が、佛立菩薩行の姿です。

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