2011年3月24日木曜日

チェルノブイリと私

私の妻はチェルノブイリの原発事故で被ばくしており、約13年前に甲状腺癌となり日本で手術を受けました。
チェルノブイリ原発事故当時、彼女は事故現場から約130キロの街に住んでいました。ソビエト政府は重要な情報を隠蔽しており、多くの市民はどれほど危険が迫っているのか全く知らされず、被ばくしました。
現在の日本では、真摯に、冷静に、発表を続けていると思います。これ以上は、出来ないと思います。民主主義国家を標榜する現在の日本には、多様な研究機関が存在し、私が携帯した放射能測定器のように最先端機器もあります。ですから、どれほど政府隠蔽論を言おうと、ソビエトのような封建的な隠蔽は不可能です。
しかし、政府にとっては、敏感に動く市場と、今後の日本経済全体を見据えた危機の回避、パニックの抑制等を考えて、「生命の安全」と「財産(生活)の保護」に苦悶し、情報の管理、段階的な発表、一部のみを取り上げた発表を行っている可能性があります。それは否定できません。
彼らのリーダーシップや技量や力量を論じていても仕方がありません。これらの情報の中から自分や自分の周りの人たちで、慎重に、丁寧に、対応していくしかありません。
甲状腺癌だった妻は、現在も健康です。子どもも二人授かりました。
このタイプの癌は長期間の検診が必要ですが、進行は極めて遅いものです。他に甲状腺の病気にはバセドウ病などがありますが、被ばくによる因果関係は明確でないようです。
今後、妻の被ばくが子どもたちにどんな影響を及ぼすのか分かりません。しかし、希望を持って生きていくしかありません。御法さまの下にいるのですから、必ずやお守りがいただけると確信しています。

若い頃、私はM.カーター著「チェルノブイリの子どもたち」を読み衝撃を受けました。その後、被ばくした女性と結婚して子どもを持つことになるとは想像もしていませんでした。

いま、また大きな原発事故が発生し、日本人の多くが不安の中にいます。この状況下で自分がさせていただけることを、とにかく精一杯したいと思います。

特に、原発事故現場近くに住む子どもたちを、一刻も早く退避させ、150キロから300キロ圏内の方々にも、万全を期して、少しの間我慢して、慎重な行動に努めるべきだと思います。

いま出来ることをする。過剰な悲観も、愚かな楽観もいけません。本当のご信心を持たれていたら、きっときちんと対応できますし、お守りもいただけます。

早期に原発事故が終息することを願うばかりです。そして、今まで以上に、いい国や社会が築けるように、一途に復興に挑みたい。間違いなく、次の時代には、み仏の正しい教え、正しい信仰が必要です。そのために、また命を削りたいと思います。

チェルノブイリと自分のことを書いて不安にするつもりはありません。むしろ、安心していただけるのではないかと思って、恥ずかしながら書かせていただきました。

南無妙法蓮華経。

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