2011年3月21日月曜日

天の日月、地の地神

「食法餓鬼と申は、出家となりて佛法を弘むる人、我は法を説けば、人尊敬するなんど思ひて、名聞名利の心を以て人にすぐれんと思て今生をわたり、衆生をたすけず、父母をすくふべき心もなき人を、食法餓鬼とて法をくらう餓鬼と申なり。当世の僧を見るに、人にかくして我一人ばかり供養をうくる人もあり、是は狗犬の僧と涅槃経に見えたり。是は未来には牛頭と云ふ鬼となるべし。又人にしらせて供養をうくるとも、欲心に住して人に施す事なき人もあり。これは未来には馬頭と云ふ鬼となり候。又在家の人人も我が父母、地獄餓鬼畜生におちて苦患をうくるをば、とぶらは(弔)ずして、我は衣服、飲食にあきみち、牛馬、眷属充満して、我心に任せてたのしむ人をば、いかに父母のうらやましく恨み給らん。僧の中にも父母師匠の命日をとぶらふ人はまれなり。定めて天の日月、地の地神いかりいきどをり給て、不孝の者とおもはせ給らん。形は人にして畜生のごとし、人頭鹿とも申べきなり。日蓮此業障をけしはてて、未来は霊山浄土にまいるべしとおもへば、種種の大難雨のごとくふり、雲のごとくにわき候へども、法華経の御故なれば苦をも苦ともおもはず。かかる日蓮が弟子、檀那となり給ふ人人、殊に今月十二日の妙法聖霊は、法華経の行者也、日蓮が檀那也。いかでか餓鬼道におち給べきや。定て釈迦、多宝佛、十方の諸佛の御宝前にましまさん。是こそ四条金吾殿の母よ母よと、同心に頭をなで悦びほめ給らめ。」四条金吾殿御書

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