1260年、39歳のお祖師さまが「立正安国論」を上奏されたのは、なぜか。正嘉の大地震、その恐ろしさ。鎌倉を襲った大災害を、吾妻鏡の記述から検証し、その衝撃からお祖師さまが上奏への決意を固めてゆかれる課程など、お祖師さまの吐息に肉薄して感じられた。
また、この展覧会では法華経寺に伝わる『立正安国論』の御真筆が拝見できる。その14紙の、墨のシミを見てご覧なさい、と教えていただき、お祖師さまが、まさにお書きになられている時に付いた墨のシミと、お祖師さまの「指紋」「指先」まで、感じることができる、と。有難い。京都十六本山を中心とした諸寺伝来の多くの宝物が一堂に展観できる。二度以上、訪れてみたい。
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