2009年9月23日水曜日

「演技性人格障害」「自己愛性人格障害」

 現在、直面しているご奉公で、多くの方からご連絡をいただき、いろいろな御講師やご信者の方々と繰り返し取り組んでいるのが、「演技性人格障害(Histrionic Personality Disorder)」や「自己愛性人格障害(Narcissistic Personality Disorder)」なるもの。
 見極めることが非常に難しい面もあるが、現代では一方的に増加傾向にあると言われ、それぞれ「宗教に走ることが多々ある」などと不本意なレッテルを貼られているために、私たちはこうした状況と、真剣に向き合う必要があると思う。

 様々なサイトで簡単に調べることができるが、主だったことを書いてみると。

 アメリカ精神医学会が作成した「精神障害の統計・診断マニュアル」によると、演技性人格障害の診断基準は以下のようなもの。

 演技性人格障害は、『不安定な対人関係と衝動的な行動』を特徴とする人格障害のクラスターB群に分類される。アメリカの疫学的調査によると、演技性人格障害の発症率は人口の1.0~3.0%と見られている。演技性人格障害(Histrionic Personality Disorder)の診断基準では、過度に情緒的で、度を越して人の注意を引こうとする行動の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)で診断される。

1. 自分が注目の的になっていない状況では楽しくない。
2. 他者との交流は、しばしば不適切なほどに性的に誘惑的な、または、挑発的な行動によって特徴づけられる。
3. 浅薄ですばやく変化する感情表出を示す。
4. 自分への関心を引くために絶えず身体的外見を用いる。
5. 過度に印象的だが内容のない話し方をする。
6. 自己演技化、芝居がかった態度、誇張した感情表現を示す。
7. 被暗示的、つまり他人または環境の影響を受けやすい。
8. 対人関係を実際以上に親密なものとみなす。

 同じく、アメリカ精神医学会のDSM-IVによると「自己愛性人格障害」の特徴を次のように簡単に説明している。

 自分を愛するという行為は健全な心の発達のために必要だが、それが病的に肥大化して自分に対する誇大感を持つようになると、それが「自己愛人格障害」と呼ばれるものになる。この人は、健全な人のように、ありのままの自分を愛することができない。以下、紹介される特徴。

1.ご都合主義的な白昼夢に耽る。
2.自分のことにしか関心がない。
3.高慢で横柄な態度。特別な人間であると思っている。
4.自分は特別な人間にしか理解されないと思っている。
5.冷淡で、他人を利用しようとする。
6.批判に対して過剰に反応する。
7.虚栄心から、嘘をつきやすい。
8.有名人の追っかけ。
9.宗教の熱烈な信者。

 この最後の「宗教の熱烈な信者」というのは心外。「宗教」すら、こうした状況に陥った人には、自己を肯定し、他よりも優越感を得るための「道具」になってしまうということだろうか。

 開導聖人は、慢心を極めて厳しく戒められており、上行所伝の御題目を、名字即=口唱行として唱え重ね、「素直」「正直」な「初心」のご信心をさせていただくことで、絶対に、こうした苦しい人生を送っている方、悪循環に泣いている方(自分では何が悪くて、どうしたらいいのか分からない)をお救いできると教えてくださっている。
 現実、数多くの方が、上行所伝の御題目のご信心によって、この状況から抜け出しておられる。「慢心甚だしければ乱心す」とは御指南だが、逆に素直正直なご信心をさせていただけば、必ずや現証の御利益をいただく。上記の、「演技性人格障害(Histrionic Personality Disorder)」や「自己愛性人格障害(Narcissistic Personality Disorder)」であったとしても。

 私は、最近の精神医学界が人々の人格や症例に対して名前を付けていくだけの行為をしているのには違和感を感じている。そして、それらは名づけるだけで、明確な治療法が確立されないケースばかりだからだ。大枠で、自分を知り、その傾向を見て取るという一助にはなっても、その人が、繰り返している最悪の事態や人生から抜け出すための方法は提示されない。

 よく聞かれる「境界性人格障害」も、対人関係、自己像、感情の不安定、および、著しい衝動性を特長とする人格障害と言われる。以下の5つの項目(あるいはそれ以上)に該当すると定義される。
1.見捨てられることを避けようとするなりふり構わない努力。
2.理想化とこき下ろしの両極端で揺れ動く不安定で激しい対人関係。
3.同一性障害(不安定な自己像または自己感)
4.自己を傷つける可能性のある、衝動的で2つ以上の領域にわたる行為。(浪費、性行為、物質乱用、無謀運転、むちゃ食いなど)
5.自殺の行動やそぶり、脅し、自傷行為の繰り返し。
6.気分反応性の感情不安定性(持続する強い不快気分、いらだち、不安)
7.慢性的な空虚感。
8.不適切で激しい怒りや、怒りの制御困難。
9.一過性、ストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離性症状。
また、現実検討力は高いために共感性がある程度得られることから周囲が巻き込まれやすく、対人関係に過敏で他者の弱みを鋭く察知し突いてくることや、仕事上は非常に優れていて行動的というような状況依存性の達成能力があることもよく指摘される。

 こうして、並び立てても分からないかもしれない。分からなくてもいい。しかし、大切なのは、自分を知ること。そして、立ち向かうこと。病院に行っても、対応に苦慮されるだけである。信心しかない。本当の、信心しかない。そう思えるか、思えないか。全てを武器にして、自己の優位性を保つことを繰り返してきたために、そこに至れないケースが多いが、何としても、そこを厳しいお折伏をいただいて、懺悔改良し、抜け出していくしかない。自分が一番苦しい。その人生では。必ず、お計らいはいただける。

 昨今、この話題ばかり。このご奉公が、今後は本当に増えていくと思う。しかし、佛立信心であれば大丈夫だと、胸を張って言いたい。

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