2019年11月11日月曜日

台湾と日本、本門佛立宗




















日本では樋口和子さんのお助行が続いています。本門佛立宗では手術の方がいると同信の方々が本堂に集まって祈りを捧げます。現在、妙深寺の本堂はいっぱいと写真を送ってくれました。


本当に、大変な、厳しい手術です。無事成功を、みんなで、心から祈っています。南無妙法蓮華経ー。


台北での台湾北部地区の日本人物故者慰霊法要を終えて、私と江口淳峰師は台中の宝覚禅寺まで移動しました。こちらで15時から台湾中部地区の慰霊法要を営ませていただきます。


ご講有ご一行は明日の烏山頭ダムでの法要のために台南へと移動し、すでに松本台湾教区長や徳光さま、清康師や立耕師は準備のために烏山頭ダムまで向かっていただきました。


10支庁の団参の皆さまと、日本台湾交流協会、台湾日本人会、台湾協会の皆さまが、同じく台北からここに移動してご回向の一座に参列くださいます。


58回目となる慰霊法要。すごいことです。本門佛立宗としては49年目、48回目のご回向の一座となります。連綿と続けてこられた報恩と追善の一座です。


歴史的なお位牌も、台湾日本人会、交流協会、台湾協会、本門佛立宗と刻まれています。本当に尊いことです。


宝覚禅寺の日本人の慰霊塔。両脇に立つ灯籠は本門佛立宗から寄贈されたもので、台湾で亡くなられた物故者の諸精霊を回向し見守っています。


今回、本門佛立宗を代表して弘通局長である吉田日景御導師がご挨拶くださいました。過去からの歴史を振り返り、未来へと向かう、素晴らしいご挨拶をいただきました。


台湾と日本、台湾人と日本人、ご遺骨の収集、そして本門佛立宗との関係。長い歴史と積み重ねられてきた報恩と追善の営みについて述べられています。一人でも多くの方に知っていただきたいと思い、ここに全文を掲載させていただきますので、ご一読くださいませ。


よろしくお願いいたします。


「ありがとうございます。

 毎年恒例の、日本人物故者慰霊法要にあたり、参列の皆さまにご挨拶を申し上げます。


 ご承知の通り、第二次世界大戦が終わるまでの50年間、台湾総督府によって統治されていた台湾には、戦前は40万人を超える日本人が住んでいました。終戦後、それら日本人が引き揚げて、この国に残された日本人物故者の遺骨は、日本人女性の野沢ムメさんと結婚された台湾人、野沢六和さんをはじめとする、篤志家の奉仕によって守られます。


 今、その概略を申し述べますと、昭和22年、野沢さんは農作業中に日本人の遺骨が入った白木の箱を掘り当てます。その土地からは、その後も500名程の遺骨が見つかり、当初はご自宅に持ち帰って安置をされていましたが、その後各地の日本人墓地が荒れて遺骨が散乱しているとの話しを聞くにつれ、「このまま放置するのは忍びない」と一念発起して手弁当で台湾全土を歩き、日本人物故者の遺骨の蒐集を始められるのです。


 やがて、昭和32年に入って日本政府が本格的な調査を始めると、野沢さんも大使館嘱託として遺骨収集に参加され、この作業が完了した昭和36年には、二万人近い遺骨を確保することができたと言います。この遺骨は、台北の中和寺、台中の宝覚寺、高雄の共同墓地の三か所に分けて安置され、最初の慰霊法要がこの年に行われました。ちょうど今から58年前のことで、以後、この慰霊法要は台湾人の僧侶によって、10年近く続きます。


 昭和45年、私たちの本門佛立宗では、当時のご講有、小山日幹上人のご指示により、終戦時に台湾の5つの都市にあった道場の現在と、残された信徒をはじめとする日本人の遺骨の状況、そして宗門としての慰霊法要を行う可能性についての本格的な調査を行います。結果、当時の日本大使館の協力を得て、同年、本門佛立宗による第一回目の慰霊法要が執行され、昭和47年を除いて、現在まで毎年、日本交流協会、台湾日本人会、台湾協会と合同で、日本人物故者の慰霊法要が営まれるようになるのです。


 その間、台北中和寺にあった遺骨は台中の宝覚寺に移され、台北での法要はこの第一殯儀館で行うようになるなど、若干の変遷はありますが、我が宗門としては48回目を数える令和元年度の法要を、宗門の最高指導者、講有大僧正、高須日良上人のご唱導をいただいて、本日無事に執行出来ますことは、これも台湾の発展に尽力し、この地に眠る先達や、その慰霊を今日まで紡いでこられた諸先輩方、関係諸機関のご苦労の賜物と、深く感謝を申し上げる次第です。


 今回は明日、「台湾で最も尊敬される日本人」として知られる八田與一氏の慰霊法要を、烏山頭ダムに表敬訪問し、我が宗門として初めて執行させていただくことにもなりました。


 願わくはこの度の妙法口唱の功徳によって、日本人物故者の諸精霊に安寧がもたらされ、以て日本と台湾の益々の友好と、世界の平和が築かれますことを衷心よりご祈念申し上げ、慰霊法要執行に際してのご挨拶とさせていただきます。


 ありがとうございました。

 

令和元年十一月十一日

本門佛立宗 宗務本庁弘通局 局長 吉田日景 合掌」

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