佐渡の朝、清々しい風。赤松の林から窓に抜けてくる風。
両津港から見れば反対側の日本海が遠望できるホテルに泊まらせていただいた。ホテルのロビーでインターネットが出来る。ホテルに入るとご信者さんが待ってくださっていた。玄関には清仁師と、この団参を企画してくれてきた瓜生さん、堀之内くん。長い時間、お待たせして申し訳なかった。インターネットができるなど想像もしていなかったのだが、ブログの更新やメールのチェックも出来た。ほんの数分だったが。
いずれにしても、こう便利すぎてはお祖師さまに申し訳ない。
新幹線に乗る前は「バルコニーででも寝てお祖師さまを忍ばにゃ」と清康師と話していたのだが、お祖師さまを忍ばせていただくどころか、ホテルにバルコニーはなく、案の定綺麗な部屋でゆっくりと休ませていただいてしまった。本当にすいません。
ホテルも部屋も、本当に綺麗だった。お祖師さまは御妙判に「一間四面で天井には隙間があり、壁の板も外の風景が見えるほどのあばら屋」とお示しであったのに。想像も出来ない。
しかし、妙深寺の方々と二晩も一緒に団参させていただくのは久しぶりのこと。なかなか親睦をはかれないと悩んでいたのだから、ゆっくりと食事をし、お話をする機会は貴重だ。バルコニーに出ている場合ではないかもしれない。
昨夜は和気藹々の中で夕食をさせていただいた。みんなの間をまわってお酌をしながら、ほんの僅かな時間なのだがお話が出来る。その短い会話の中でも、「普段、こうした会話をしていないなぁ」とつくづく感じる。そういう罪滅ぼしの気持ちにもなる。日頃お給仕をいただいているのだから、こういう日には「若造」に戻ってお給仕を返したい。何しろ、みんな私の先輩。今回の団参でも私が一番若いのだから。
夕食後には、男性の方々だけ部屋に来ていただいてお話をした。日頃のご奉公のこと、新たに発足した事務局のことなどについて談笑。
既に出発の時間でロビーに降りてきている。
先ほど、いつものようにホテルの部屋に簡易の御宝前を設置。といっても懐中御本尊をPCの画面に御安置しただけなのだが。
こうして旅の途中、出張の間でも、お看経出来ることが有難い。この話をしているとイタリアのミルト氏を思い出す。彼は彼女との初めての旅行でも、
「僕には毎日2回祈りの時間がある」
と言って20分間お看経をしたという。
それを見ていたエンリーカさんは、不思議に思ったが、いつしか彼の御題目の声にやすらぎを覚え、自分も口ずさんでいたという。
いま、彼らは結婚し、二人はイタリアの素晴らしいご信者さんになり、昨年の夏には子どもも生まれた。
こうした、ごく自然のライフスタイルの中に、ご信心が根付いていることを、艱難辛苦の末に御弘通をなされたお祖師さまにご報告したい。
2007年6月10日日曜日
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