2007年6月2日土曜日

スリランカ BMICHでの大集会

 話をスリランカに戻してみる。とても反応がいいから。

 スリランカのBMICHという国際会議場で大集会が開催されたのは昨年の3月のこと。700名以上の参加(参詣者)が参集して、恒例のスリランカ舞踊に導かれながら会場に入り、御題目の声に圧倒された。

 B.M.I.C.Hとは、「バンダーラナーヤカ記念国際会議場(Bandaranaike Memorial International Convention Hall)」といい、コロンボの誇るコンベンション・センター。
 スリランカという国は中国と非常に親しく、中国からの援助による建物が多くあるが、BMICHも中国からの寄贈だそうである。もちろん、日本からのODAで建設された建物や道路も多くある。
 しかし、国家への支援というものは面白いというか不思議なものがある。私がイスラエルに一人で行った時、クネセットと呼ばれるイスラエルの国会議事堂を訪れた。もちろん、中には入れず、道路脇にレンタカーを止めて、一人で眺めていた。そして、写真を撮った。なんとイスラエルの国会議事堂は、アメリカの大富豪ロスチャイルド家の寄付で1966年に完成したという。ユダヤ国家再建のために、故国の「国会議事堂」まで寄贈するというのはすごい。すごいが、こうしたことに代表される民族意識の強さが、今日の中東の混乱の原因の一つであると考えられるから、ユダヤ教を含めて深く思索したい。

 他国からの経済援助は必要なのだろうが、「開発」や「発展」の押しつけはいかがなものだろう。得てして「開発」「発展」を旗印にして、自国の文化を捨て、自然を破壊することになってしまう。「心」が置き去りにされてしまうから。これは「開発経済学」などの先生にお聞きしたい。妙深寺でも主に経済などで使われる「開発」という言葉を「心の開発(「かいほつ」と読む)」として掲げている。アジアでは、同じように「開発」という言葉を用いて、経済的な開発ではなく人々の生活を守り、導く僧侶が「開発僧(かいほつそう)」として活躍している。これらは別の機会に述べようと思う。

 話を戻すが、このBMICHで大きなセッションが持たれた。ご信心を護持することを決意し、御題目をお唱えして御導師のスリランカ訪問を待っておられた700名。御題目をお唱えし、福岡御導師からのご法話をいただき、みな大感激していた。
 私も短いスピーチをさせていただいたが、御導師から「清潤さん、ほなスピーチしたらええわ」と軽いタッチでご指示をいただき、「え~」と思いつつ緊張しながらさせていただいた。有難いことだ。

 その後、御本尊拝受の式典をさせていただいた。御導師から手渡していただく。その御本尊を拝受する前に、一人一人はひざまづき、丁寧な人になると御導師の足に額を付けるようにご挨拶をして、御本尊を拝受する(Gohonzon distribution Ceremony)。御導師のすぐ側で、ミランダ女史が教化子たち一人一人に優しく声をかけ、肩を抱きながら励ましている姿を見て、有難いと思った。実に、500名近い入信式のようなものなのだ。

 こうして拝受した御本尊は、また一度お役中(教化親)であるアベイ氏やガマゲ氏がお預かりする。そして後日一軒一軒を回り、御本尊の奉安ご奉公をするのである。私は約20軒に巡回して御本尊を奉安させていただいたが、ご奉公後にアベイ氏は「長松御導師、本当にありがとうございました。私は、これから100軒に回って御本尊をご奉安していきます」と言っていた。すごい、、、、、。

 法華経に「各仏足を礼し」とあるが、「それぞれがブッダの足にご挨拶をして座った(各仏足を礼し退いて一面に坐しぬ)」ということで、福岡御導師も「足にご挨拶」ということの意味がスリランカで分かったと仰っていたが、私も何度か見たり、していただいたりして、この法華経に説かれた情景の意味が分かった。スリランカのご奉公には、ブッダの時代を彷彿とさせる文化、所作が残っている。

 いずれにしても、スリランカの方々の純粋な進行、ご弘通の勢いに勉強させていただく。

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今年もいよいよ大詰めですー

いよいよ「今年最後」のご奉公が続き、「よいお年を」というご挨拶をさせていただくようになりました。 今年最後の教区御講を終えた日曜日の夕方、横浜ランドマークタワーのスタジオで白井貴子さんをゲストにお迎えしてラジオの収録を行いました。ずっと聴いていたいほど大切なお話が盛りだくさん。 ...