2010年3月16日火曜日

お坊さんの落書き

シンガポールの朝です。いま、朝食を済ませ、部屋に戻らせていただきました。

遠く離れていても、妙深寺の本堂は24時間インターネットで配信されているので、朝参詣が出来ます。海外赴任の方の気持ちが分かります。本堂内が映るうれしさ、安心感。こんな有難いことはありません。

写真は、スリランカ南部のお寺で撮った一枚ですが、とても印象に残りました。

お寺は、南部の、本当にすごい田舎にあるお寺のお坊さんの部屋です。テーラワーダ仏教、つまり小乗仏教のお坊さんのお部屋です。窓を見ると遮光フィルムが張ってありましたが、その落書きに、思わず微笑みました。

彼らも、愛を求めているんだなぁ、と思って。テーラワーダ仏教です。自己の完成を求めて修行する僧侶ですが、やはり、末法は、僧俗共に凡夫です。ハートに、矢が刺さってる落書きは、本当に、微笑ましい。

スリランカのお坊さんは、笑いません。これも、戒律です。笑ってはいけません。走ってもいけません。アルコールを摂取することはもちろん、午後に食事をすることもできません。そういう「戒律」の中で、自分を律して、それが救われる道だと励んでおられる。しかし、一般の人には、とてもマネできない生活ですから、僧侶と一般信徒の間には大きな隔たり、区別があります。

しかし、この落書きを見ると、やはりお祖師さまがお説きになられているとおり、「持戒は市の中の虎のごとし」で、本当に難しく、上辺はともかく、まともに出来ている者はいない。それで、現実に救われる者もいない。

この末法の中で、僧侶も一般信徒も、ともに凡夫の私たちが、どのように救われていくか。

小乗仏教のお坊さんに、偉そうなことを言うつもりはありません。

しかし、愛したい、愛されたい。若い小乗仏教のお坊さんの落書きに、なぜかホッと安心し、かわいいな、と思ってしまいました。

2 件のコメント:

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